小さな身体を震わせながら、生後三ヶ月の時に飛行機に乗って我が家にやってきた。
いつかこの日が来るとは…。もちろんわかってはいたよ。
▼ミニチュアダックスフント

目次
愛犬
お風呂が大嫌いで、とても泣き虫で…。
ホールケーキが何よりも大好きで…。
散歩が好きで、命令に、とても忠実だった…。
いつもお腹を上に向けて安心しながら寝ていたよ。

ご飯を急に食べなくなったよね。
そして、水を大量に飲んでは吐き続けていたよね。
家中の至る所に、ちょっぴりづつ、オシッコをかけまわっていた。
黙認していたよ..。怒れなかったよ..。

お~い。大丈夫か〜ぁ…。
愛犬の名前を呼んでみる。
君は、ヨタヨタしながら忠実に近寄ってくるんだ。
決して命令なんかしてないよ。とても心配なんだ。
三度ほど床に倒れては、膝の上にきてくれた。
君が大嫌いなお医者さん…。
『家族で看取ってあげて下さい。』
もう限界なんだよね。ちゃんとわかっていたよ。
静かに呼吸をしながら、お腹がゆっくりと動いていた。そして、静かにお腹の動きが止まっていった。
最後に綺麗な身体でいるがために、お腹の中を空っぽにしようとしていた君の美学のことも…。
生きた証を残すために、家中に、ちょっぴりずつ、マーキングしていたことも、全部知っていた。
名前を呼べば、身体が辛くとも、忠実に側に近寄ってくる。
『もう、名前を呼ばないから…。』
『もう、無理して来なくてもいいから…。』
うちの子で幸せだったかい?
本当にありがとう。幸せな14年間でした。
最後に一言……。

本日をもって全ての命令を解除します。
